まるまるオプション

敷居が高いと思われがちなオプションを まるっと学んでいくblog

「指値注文」の理解、間違ってました・・

こんにちは、まるです。

先日参加してきた、オプション トレード普及協会さん主催の

『日経225オプション 実践会』 で学んできたことをもとに、

オプション取引に一歩踏み出せるよう、お話ししていこうと思います。




今日は、注文方法についてお話しします。

この注文方法については、オプションに限らず株やFX、先物においても同様です。



注文は早い者勝ちの時間優先ルール

オプションに限らず株やFXや先物など、およそ金融商品のほとんどは

「競争売買の原則」にのっとって取引されます。

競争売買の原則は、次のふたつの原則から成り立っています。

  • 価格優先の原則

  • 時間優先の原則

オークションと同じ! と考えると、わかりやすいですね。



オークション



「指値」(さしね) と、「成行」(なりゆき)について

今さら「指値」と「成行」って・・・、

そんなの知ってるよ!と思われるかもしれませんが、

わたしは今までず〜っと思い違いをしていたことに、

実践会に参加して気づくことができました(汗)

板を見てみましょう



下の画像は、ある株の「板」を表しています。



ポイント

「板」とは
コンピュータ画面上に表示される
銘柄・値段ごとの売買の注文状況を示した情報のこと

板

この株を買いたいと思っているとしましょう。

買うのですから、できるだけ安く買いたいですよね。

でも、買うには、売ってくれる相手がいないといけません。

現時点で一番安く買える価格は、901円ということがわかります。

marunormal
まる
かめちゃんはこの株をいくらで何株買いたい?
kamenormal
かめちゃん
できるだけ安く買いたいな〜、なので、
すぐに買いたい時は900円で300株注文出すよ。
でも、ゆっくりでいい時は899円で待つかな。
marunormal
まる
かめちゃん、板のこと よくわかってるね!

パターン1

もし、かめちゃんが900円で300株の買い注文を出したら、

初めの板(左側)は、右側の板に変わります。

株価900円の位置に300株の買い注文が入りました。

この 300という数字が、かめちゃんが注文した株数です。

ここでしばらく待っていて、もし「900円で売ってもいいかぁ」という人が現れたら、

かめちゃんの買い注文をパクッと食べてくれますね。そして売買成立です。

ただし、「901円でもいいから買いたいよ!」という人が先に続々と現れたら

株価は上昇していき、かめちゃんの900円の買い注文は約定することなく、

板に残ってしまうことになります。



パターン2

もし、かめちゃんが899円で300株の買い注文を出したら、

初めの板(左側)は、右側の板に変わります。

かめちゃんは899円で買いたい人の列の、一番後ろに並んで待つことになります。

かめちゃんの前に並んでいる1,900枚が全て約定して消えてから、

やっとかめちゃんの300枚の注文が一番前で約定の瞬間を待つ事ができます。

運良く順番が回ってきて、899円で約定できればラッキーですね。

しかし、パターン1と同様、

「901円でもいいから買いたいよ!」という人が先に続々と現れたら

株価は上昇していき、かめちゃんの899円の買い注文は約定することなく、

板に残ってしまうことになります。


かめちゃんが考えた、パターン1、パターン2はどちらも指値注文です。

成行注文は要注意です!



「900円で買います」のように値段を決めて注文することを指値注文というのに対して、

「いくらでもいいから、どうしても今すぐに買いたいよ!」

という注文方法を成行注文と言います。

成行注文は便利そうに見えますが、注意点があります。

もう一度板を見てください。

板

もし、かめちゃんが「株価が上昇してしまいそうだ!今すぐ買っておこう!」

と思って、成行で300株の買い注文を出したとします。

一見、901円で買えそうに見えますが、

もしかめちゃんの注文が取引所に届く前に、

誰かが出した10,000株の買い注文が約定してしまっていたらどうなるでしょう。

売り株数の

700株(901円)+2,300 株(902円)+ 5,400(903円)=8,400株

は一瞬にして食われてしまって、

株価は一気に904円まで上がってしまっています。

そうなると、901円で買おうと思っていたかめちゃんは、

904円で買わなければならない羽目になります。

もし、もっともっと板が薄い時(参加者が少ない時)だったら、

価格がドーンと一気に飛んでしまい、

思わぬ高値で買い注文が約定してしまう危険性があります。

買いたいときにすぐに買える成行注文は、時と場合によって   

予想外の不利な結果になってしまうことを覚えておきましょう。



「指値注文」を詳しく知ろう

「指値(さしね)注文」を詳しく知って、

賢い使い方ができるように、しっかり学んでいきます。

指値注文と指値注文の定義



指値注文と成行注文の定義を「買い」の場合について確認しておきます。

指値注文とは

希望する売買価格(買いの場合は上限価格)を指定して発注する方法。
例えば、株式の売買において、「A株式を900円で300株買いたい」
などといった注文を指値(さしね)注文と呼びます。
買い注文は、指定した値段以下の売り注文が出れば約定できます



成行注文とは

売買を行うときに、値段を指定せずに注文する方法。
成行注文をした人が一番有利な売買の相手と取引することになります。
成行買い注文をした場合は一番安く売り注文していた人と売買が成立します。



指値注文を正しく理解できてる?

marunormal
まる
かめちゃん、
指値注文、成行注文の定義は理解できたかな?
kamehappy
かめちゃん
もちろん
バッチリだよ!
marunormal
まる
では、質問です。
次の板を見てかめちゃんが903円で300株買い指値注文を入れたとします。
さて、かめちゃんの注文はどうなったでしょう?

板

kamenormal
かめちゃん
いやいや〜、ダメでしょう
値段間違えて指値しちゃったってことだよね?
う〜ん、これ903円で買うしかないよね(泣)
marunormal
まる
それ、違うんだよ!
かめちゃんは901円で300株買えるんだよ!
kamenormal
かめちゃん
えっ?どーいうこと?

かめちゃんが誤解していたように、

実は私も指値注文のこの部分の解釈を誤解していました。

『日経225オプション 実践会』で教えてもらって、

初めて正しく理解することができました。

もう一度指値注文の定義をおさらいすると、

買い注文は、指定した値段以下の売り注文が出れば約定できます


指定した値段以下の売り注文が出れば・・・ですよね、

板

この状態の時に903円で買い指値注文をしたら、903円以下で買えるんですよね。

903円以下で買います!と一番最初に手を挙げたかめちゃんは、

903円以下の売り注文の中で、一番安い価格で買えるわけです。

つまり、903円で指値注文を出したかめちゃんは、

より条件の良い 901円で買う事ができるわけです。



これって、成行注文と似ていますね。

成行注文の定義は、

成行買い注文をした場合は一番安く売り注文していた人と売買が成立します

でしたよね。

成行より安全な指値注文

「成行注文は要注意です!」の項で、

成行注文を出したけれど、その直前に大きく板が動いてしまったら、

思わぬ高値で買い注文が約定してしまう場合があることを説明しました。

では、上記の例のように、

成行ではなく903円で買い指値注文を出した場合はどうでしょう?

もし、かめちゃんの注文直前に10,000枚の買い注文が約定して

大きく板が動いてしまったらどうなるでしょう。

株価は一気に904円まで上昇してしまうんでしたよね。

けれど、その場合は成行注文の時とは違って、

かめちゃんの指値注文は約定せず、904円で買う羽目にはなりません。

指値注文の定義は

買い注文は、指定した値段以下の売り注文が出れば約定できます

指定した値段以下の売り注文が出れば・・・でしたよね。

903円で指値注文していたかめちゃんは、

904円で買う羽目には決してならないということです。

903円の注文は板に残ったままになります。



まとめ

指し値注文と成行注文の定義を確認しました。

今回は「買い注文」に限定してお話ししましたが、

「売り注文」においても同様です。

『日経225オプション 実践会』で、今まで指し値注文について

正しく理解できていなかった部分があったことに気づきました。

多分、私やかめちゃんと同じように間違った理解をしている人は多いと思いますので

しっかり理解しておきましょう。